板橋区役所前駅2分、大山駅10分、板橋駅15分、板橋本町駅18分の板橋の心療内科精神科
治療的抵抗性のうつ病の薬剤選択
序論
STAR*Dは精神科の医師は知っておいた方が良い研究の個人的な第1位です。
初期治療に反応しなかった大うつ病患者にとって最も好ましい次の治療法は何かという疑問に答えるために米国精神保健研究所によって2003年から実施され、3500万ドルが費やされた大規模臨床研究です。その結果は2009年に報告されています。
最初に用いられた抗うつ剤はセロトニントランスポーターの選択性が高いシタロプラムです。日本では不整脈の副作用が軽減した光学異性体のS体のみを抽出したエスシタロプラムが承認されています。
その後、第二段階、第三段階と進むにつれて抑うつ状態が寛解する患者様が増加し、第四段階の時点で大うつ病障害の患者様の7割が寛解したという結果が報告されました。
しかし、段階を移るために必要な期間は6週間毎であるので第四段階までの薬物療法を施行するために24週間を要します。
(参考)STAR*D研究
https://ps.psychiatryonline.org/doi/epdf/10.1176/ps.2009.60.11.1439
日本版STAR*D
STAR*Dは日本では承認されていないために日本で承認されている薬剤で表を整理しました。この表から、最初から治療抵抗性のうつ病を想定して薬剤選定をするとしたら、
1.レクサプロ®(エスシタロプラム)
2.イフェクサー®(ベンラファンキシン)
3.ベンラファンキシン+炭酸リチウム
4.ベンラファンキシン+ミルタザピン
の選択が合理的であるといえます。